生ゴミの堆肥化
ここ本部町はカツオの町として周知の通りである。
薫り高い鰹節の生産地として歴史がある。
その鰹節生産の残りの部分が廃棄物として町の焼却場で燃やされていると聞いた。
土に戻したら痩せた土地も肥えるのではないかと病院が借りている原野に毎度何百kgもの廃棄物を回収し埋め続けた。
集めてみるとその廃棄物の中にある頭や骨や尾っぽは捨てるには忍びないほど新鮮でおいしそうだった。
土に戻すまでに何か有効に活用できないかと智恵をしぼってみた。
当病院が中心になって
「カツオ丸ごと食べよう」キャンペーン
と銘打って各種料理を開発し、漁協婦人会の協力を得て本部海洋祭りに5種の工夫した料理を500食分提供する事が出来た。
町関係者・議員・祭り会場に来た人々は捨ていた部分が食べられることに一様に驚いたものだった。
その結果、
山下真司の「食いしん坊万歳」
にめづらしい魚料理として紹介され放映された。
この様にすぐに廃棄物とするのではなくその中でももっと価値を見つけて活用する努力は続けたい。
さて、土に戻そうと始めたカツオの廃棄物は500坪の土地には2年もすると埋める余力はもう無くなった。
しかしこの廃棄物をまた焼却場で重油をかけて燃やすことに賛成はできなかった。
自然界の健康が損なわれるような気がして、何とかこのカツオを堆肥にし土に還元出来ないものかと工夫したらうまく期待通りにいった。
医学に精通していれば微生物学に詳しいのは当然であろう。
生ゴミから有機肥料を作るのには有用微生物が必要であるが委託業者を指導しEM比嘉菌、東江菌なども使ってみた。
幸いなことに農薬を使わず埋めた有機物を基に地元で有用微生物が育ってくれた。
かなり有力な微生物群で発酵温度も60〜70度で1日で堆肥化してしまう。
まさに野性味豊かなヤンバルにふさわしいものだ。
愛称もEMヤンバルとつけている。
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