ダイオキシン類毒性評価法(TEQ)

 ダイオキシン類は、他の多くの化学物質とは異なり、製造を目的として生成されたものではなく、物の燃焼や化学物質の合成の過程で、副産物として生成される。環境中では極めて安定で、生物に対する毒性の強いものが多い。一般的に塩素の付く位置及び数により毒性の強度が異なり、2,3,7,8-TCDDが最も毒性が強いといわれている。


 環境中で検出されるダイオキシン類は、一般に複雑な同属体・異性体の混合物であり、その混合物の毒性は、通常、異性体の中で最強の毒牲を有する2,3,7,8-TCDDの毒性の等量(TEQ)として表す。これは、2,3,7,8-TCDDを1としたときの他の異性体の相対的な毒性を毒性等価数(TEF)で示し、これを用いて汚染物質の混合物の毒性の総量を2,3,7,8-TCDDに換算するものである。TEFは毒性評価に関する知見の蓄積により改正が続けられているが、今日ではNATO諸国の共同研究に基づく国際毒性等価数(I-TEF)を用ることが多い。

 TEQ:Toxic Equivalents(毒性等量)
  ダイオキシン類のそれぞれの異性体の毒性を2,3,7,8-TCDDに換算して合計したもの
 TEF:Toxicity Equivalency Factor(毒性等価係数)

     ダイオキシン類に関する国際毒性等価係数(I-TEF)
PCDD異性体I-TEF値PCDF異性体I-TEF値
2,3,7,8-TCDD2,3,7,8-TCDF0.1
1,2,3,7,8-PeDD0.51,2,3,7,8-PeCDF
2,3,4,7,8-PeCDF
0.05
0.5
1,2,3,4,7,8-HxCDD
1,2,3,6,7,8-HxCDD
1,2,3,7,8,9-HxCDD
0.1
0.1
0.1
1,2,3,4,7,8-HxCDF
1,2,3,6,7,8-HxCDF
1,2,3,4,7,8-HxCDF
2,3,4,6,7,8-HxCDF
0.1
0.1
0.1
0.1
1,2,3,4,6,7,8-HpCDD0.011,2,3,4,6,7,8-HpCDF
1,2,3,4,7,8,9-HpCDF
0.01
0.01
OCDD0.001OCDF0.001
 他の異性体はすぺて0
(財)日本環境衛生センターによる。


生ゴミシリーズのトップページへ